2008年07月19日

ささやきカウンセラー

よくよく聞いてみると、何人ものひとが同じような症状の風邪をひいていたことがわかった。
先週末から徐々に悪化して(あのKSJ騒ぎが大きかったのだ、ふ〜)、朝日ニュースター収録がぎりぎりセーフの状態。
毎朝、今日こそはよくなってるだろうという虚しい期待とともに起床するのだが、発声したとたんに「なにこれ、ひどくなってんじゃん」というショックが襲う。
水曜は教育プログラムはマイクを使ってなんとかこなし、夜はガンガン冷房のきいた日比谷松本楼にて、家族そろってのフルコースのディナー。そのころからほとんど声が出なくなった。
木曜は出勤時にほとんどウイスパー状態になっていた。おまけにその日は、電話でのセッションがふたつあり、あっちゃーどないしまひょ、と頭を抱える。
もうこうなったら「ささやき女将(おかみ)」ならぬ「ささやきカウンセリング」でいくっきゃないと度胸を決める。
実際、体調も悪く、なにしろ咽喉が痛くて、唾を飲み込むのに一苦労なのだ。たぶん微熱もありだる〜い感じで食欲も落ちている。スタッフの皆さんが心配してくれて、にんにくの粉末や生姜湯などをすすめてくれる。千疋屋のロールケーキもごちそうになった。
こう書いてくると、あれ、けっこう食べたり飲んだりしてたんだと気づく。
さすがに帰宅後は原稿を書く気力もなく、本を読みながら眠る。と、夜明けは激しい咳で目がさめ、ずっとせき込んで眠ることもできない。
ついに観念して、今朝耳鼻咽喉科を受診。ほんとに私は医者嫌いなのだ。できれば死ぬまで受診などという行為をしたくはない。
結局一週間もわが身の治癒力を過信し、龍角散、のどあめ、スプレー式薬剤などを乱用した末の受診だった。
吐き気のする患部への塗布、薬剤噴霧、などを受け、「声帯までかなりの炎症を起こしている」とのご託宣。
薬をもらい、素直に言われたままの量を飲み、一休みして午後出勤。
するとあら不思議、のどの痛みはすっかりとれ、声もいちおう聞き取れるほどにはもどっている。眠る前には咳止め薬を飲んで(昔懐かしい甘いシロップ液)おこう。
これで、3連休はなんとか原稿を消化できるだろうか。岩波のケアシリーズの校正もスタンバっているし。
そんな中で、秋葉原事件の波紋の大きさを感じている。特徴は、加害者への共感の意見がやまない点だ。それは格差社会の派遣労働者のおかれた状況への怒りの輪の広がりである。
もうひとつは、あの事件を男性性とからめて論じる立場だ。
週刊金曜日の中山千夏、岩波書店「世界」の北原みのり、に代表される論文である。
私の中では、まだまだあの事件についてまとまった意見を述べるまでになっていない。

共同通信配信のルポ「反省がわからない」がある。山口県で母を殺した少年が、成人後大阪で姉妹を殺害した事件だ。近年まれに見る詳細なルポであり、さすが、伝統の共同通信社会部と唸るだけの内容を誇っている。
あの事件は、妙に印象に残っていた。新聞配達の少年が買い物依存(ギャンブルだったか)の母を殺したという報道を目にしたとき、あまりに悲惨な状況に胸が締め付けられる思いがした。
似たような事件が最近起きている。3年ほど前に、DVで子供を連れて逃げた母と姉弟がいたが、息子が北海道まで飛行機で飛び、父を殺したのだ。
その後、少年は成人して精神病院に入り統合失調の治療を受ける。そして今度は母親を駐車場で撲殺したのだ。
このような親への殺意と、山口の少年の母殺しとは共通しているだろう。
というわけで、上述のルポの最終回に私がコメントしている。もちろん字数の限界もあるが、加害者の属することのできるコミュニティがあれば、防げた事件だったのかもしれないと思う。
依存症の自助グループは、依存症になったことと引き換えに得ることのできるコミュニティである。薬物依存症の若者たちが、NAやダルクにつながることで回復していく姿を見ているからこそ、かつての少年にとって、十分な更生可能性があったことを信じたいと思う。

投稿者sayoko:02:51 |