2008年12月13日
イルミネーション列島
昨日今日と珍しく気温が15度を超えた。
それでも原宿の街では、若者たちが冬物ファッションに身を包んで寒そうに(しかし汗を流して)歩いている。
それにしても年ごとにけばけばしくなるイルミネーションはどうだろう。不況と雇用不安の暗雲が垂れこめているせいか、ひときわ今年の電飾は明るさを競っているようだ。
昨年の今頃のBlogにも書いたが、日照時間がほんのわずかしかないヨーロッパの冬、キリスト生誕を祝うための光の飾りとしてイルミネーションは美しさを誇る。それに欧米の商店街の明かりは日本の蛍光灯のように明るさが強くない。ぼんやりとした店の明かりを背景に、イルミネーションがくっきりと浮かび上がるのだ。
ところが日本ではどうだろう。店の照明が明るい上に、さらに青や赤、緑の電球がちかちかと瞬いており、煩雑なことこの上ない。看板の規制がない日本の無原則的商店街の飾りつけが、そっくりそのままイルミネーションにも持ちこされている。
今ではもう廃止されてしまったが、90年代前半の表参道のケヤキ並木のイルミネーションはおそらく日本の電飾の嚆矢だったと思う。当時の表参道は、今ほどブランドショップもなく、表参道ヒルズもなかったので薄暗かった。道路に覆いかぶさるようなケヤキに素朴な豆電球がともされるイルミネーションは、たしかに今のチカチカぶりよりずっと落着きのある温かさを感じさせた。
年ごとに評判を呼び、NHKのニュースでも点灯の時間を中継するようになってから、あまりに多くの人が殺到するようになって中止された。
職場から原宿駅まであまりに人混みがひどく、帰りきれなかったこともある。やっとの思いで改札にたどりついたら、改札が中止になっていたこともあった。
あの殺人的人気ぶりは、中止するしかなかっただろう。
今ではミレナリオあたりが人気らしいけど、私はいっこうに「見物」に行く気がしない。照明デザイナーという職業があるというが、やはり闇をどのように活用するかでイルミネーションの演出は決まってくるのではないだろうか。いくらデコレーションの意匠を尽くそうと、光が過剰になっては相殺されてしまうに違いない。
そうなると、やはりあのパリの厳寒の冬の夜、うすぼんやりとした光がシャンゼリゼ通りや名もない裏通りをいっせいに埋め尽くす美にはとうてい及ばないと思う。





