2008年11月29日

長らくのご無沙汰陳謝です、それと「ケアリング・ダッド」について

先週の日曜23日に無事カナダから帰国しましたよ〜!!
もともと時差がきつい(トロントはマイナス17時間)のにくわえ、後半はバンクーバー滞在のため、国内での3時間の時差を経験したことで、さらにぐちゃぐちゃになってしまった。
約1日の休日を設けてもらい、ビクトリアに三度目の訪問、ブッチャートガーデンに再度訪れた。園内はすっかりクリスマスの飾りつけになっており、さぞや夜間のイルミネーションは美しいだろうと思われた。
1月にNPO法人RRP研究会が、福祉医療機構の子育て支援基金からの助成金で「ケアリング・ダッド」というオンタリオ州ロンドン市において開発されたプログラムのワークショップを開くことになっている。
そのための打ち合わせと、今夏に実施したDV被害を受けた母子並行プログラム(コンカレントプログラム)の成果の報告兼スーパービジョンが目的である。
また、バンクーバーでは、日本にお呼びしたカッツ先生ご夫妻とステファナキス先生のお二人に、2004年からずっと実施しているDV加害者プログラムについてのスーパービジョンの時間をとっていただいたのだ。
連日、ロンドンでもバンクーバーでもご招待とレセプションのディナーやランチが続き、けっこうタイトなスケジュールだった。まあ、それだけ充実した一週間だったということだ。
一生懸命に実践をすれば、国と言葉の違いを超えて交流し合えるのが臨床家の醍醐味である。今回もそのことを痛感した。

ケアリングダッドというのは、DV加害者であり、妻や子供と分離させられた男性に対するファザリング(父親業)のプログラムのことである。
世界的に見ても数少ないプログラムであり、DVで分離したとしても、子どもとどのようにつきあっていくか(そこには妻に対するDV加害の責任をとることも含まれる)が具体的にプログラム化されているのだ。
日本でも、DVが引き金で離婚する際、父親と子どもとの面接交渉をどうするかが家庭裁判所では問題になっている。中には、その仲立ちをしてくれるらしい機関も存在するが、DV被害を受けた母親とその子供がどれほど傷ついているかをあまり斟酌していないかのような対応もあると聞く。
ロンドン市などでは、児童相談所がDV加害者である父親に対してそのプログラム参加を条件に子供に会うことを認めることも行われている。イギリスでもそのプログラムを実施する予定だとか。
日本でそのWSがどのように受け止められるかは未知数だが、ぜひDVと虐待の双方の専門家に参加してもらい、ともすれば分断されがちな援助現場がつながれるといいと思う。
また、現在の日本ではDV加害者へのアプローチは避けられがちだが、彼らを孤立化させないことが凶悪化させないことにつながる、という知見は非常に印象的だった。
加害者を責め、非難し、極悪人のレッテルを貼ることはたやすい。しかし、どのようにして彼らの言動を修正していくかは、被害者である妻に対しても、そして二人の子どもにとっても喫緊の課題だろう。

Blog更新が遅れたのは、ひとえに原稿締め切りが重なっていたからだ。帰国後、2つの原稿を完成し、さらに明日と明後日であと3本の原稿を完成させなければならない。
時差がまだ完全に抜けていないので、パソコンに向かってこっくりしながら半分泣きながら原稿を書いている(シクシク)。

「ユリイカ」12月号に、私と上野千鶴子さんとの対談が掲載されています。ぜひ買ってください(これは青土社のためにです)。

投稿者 sayoko: 02:12