2007年04月10日
葉桜が冷たい雨に濡れている
先日も某鮨屋のカウンターで食べていたら、店主が「今年の桜は色が薄いね」とぼやき、客のひとりが「そう、白っぽいっていうか」と応じた。「温暖化の影響なんっすかね」とお定まりの総括に、少々鼻白む思いで好物のコハダの握りを食べた。
そうかなあ、今年は桜を見る余裕もなかったなあ。よくクライエントの方たちが、「桜がきれいだと感じるなんて、もう5年ぶりです」と語るのを聞くが、桜を見ても万人が美しいと感じるわけではない。砂を噛むような味覚があるように、あの生き物のように盛り上がる夜桜を見たとしても、何の感情も湧いてこないひともいるのだ。もっと大きな不幸に掴まえられてしまっているひとたちは、桜を見ても桜は眼に入らない。
HCCの正面の桜はすでに葉桜。それが、ここしばらくの花冷えにふるえ、春雷のもとで雨に濡れている。山手線に近いせいか、開花宣言とともに次々と花をつけ、あっという間に散ってしまうのは毎年のことだ。そして、カレンダーもあっというまに4月の中旬に突入している。
ここしばらく原稿から解放されているせいか、睡眠時間も足りている。放置したままの本の原稿を校正したり、専門書(ナラティブに関するマイケルホワイトの最新刊書を小森康永さんの監訳で)を熟読したりしている。
そういう間にもいくつか講演依頼があり、断りきれないものばかりなので、愛知県、和歌山県、長野県とお引き受けする。いずれも夫婦関係、ジェンダー、家族といったキーワードの依頼だ。また一般公開ではない講演も2つくらい続く。性犯罪処遇プログラム関連の、保護観察官対象の研修も。
東京新聞でも性犯罪についてのコメントをする。
また今週からは、朝日カルチャーセンターの講義が開始される。なんだか、新年度も忙しくなりそうな予感がふつふつと湧いてくる。
また9月中旬に開催される日本心理臨床学会の大会が、理事主催になるために、いろいろ9月に向けての準備もある。6月には東京臨床心理士会の大会も開かれるので、理事として動かなければならない。それから別の学会の理事を依頼されたし・・。
連載中のちくまweb、小説トリッパーの「共依存」、雑誌春秋の「墓守娘の嘆き」も今年中には単行本にまとまる予定だ。
石原慎太郎が都知事に3選された。なんと喜寿を迎えるまでの任期である。そうか、私もあと少しは大丈夫かもなあ、と安心。何より、記憶力の衰えが怖い。名前の失念はなんとかごまかしているが、年号、数字、それにエピソード記憶までもが衰えつつある。
自慢じゃないが、今から5年前まではクライエントのひとについてすべてを記憶していた。何区に住んで、職業は何か、家族構成は、といったところまで、すっと思い出すことができた。カウンセリングの際に話したことも、次回のカウンセリングにはすべて思い出すことができた。それが、今では・・・(涙)。
メモを見なければ思い出せないなんて、ほんとに情けない。
というわけで、今年の元旦から、短い日記めいたものを書いている。そうしないと何を食べたか、どこに行ったかを翌日には忘れてしまうからだ。
忘れたくない映画監督の名前など、繰り返して暗記するようにしている。若いころの10倍もの努力が必要だ。あーあ、年はとりたくないもんだ(ため息)





