2005年11月29日
時差なんかに負けるもんか!
それにしても東京は暑いね〜
あのオタワの身がふっとぶような寒さから比べると南国のパラダイスだす。
銀杏はやっと黄色くなり、表参道のケヤキ並木は落葉が始まったばかり。
今日は朝からびっちりと仕事。昨晩は12時きっかりに眠りに就くために睡眠薬のお世話になった。オタワでもずいぶん重宝したのは事実。
三交代の仕事に就いているひとに薬物・アルコール依存症が多いことは常識だが、今回のような昼と夜が完全に逆転した国に短期間で二往復すると、その気持ちもわかる。夜はおまけにDV加害者グループも実施。なんだか後頭部をぐわんと殴られたような睡魔が突然襲うのだ。2〜3秒で収まるのだが、眠いというより、アタックされる感じなのだ。それに負けずに起きていないと、時差ぼけは取れないので、この一週間は結構闘いの日々になる。
もうHCCは10周年の準備で大変。なにしろ手仕事なのでスタッフ全員で分担しているのである。日常業務の合間にやるのだからねえ。
当たり前といってしまえばそれまでだが、やはりよくやってくれると思う。
自慢じゃないけどスタッフはみな優秀で美人、おまけに仕事がよくできる・・
法務省のオタワに同行してもらったHさんも、そういや美人だったなあ。英語の通訳も完璧だったし、頭の回転も速いし・・わたしが男性でもう少し若ければなあ(何言ってるんだか、びしばし)
サントリー小ホールはけっこう人が入るので、今の状態のチケットの売れ具合だと、空席ができそうだ。当日券でもいいから多くのひとが来てくれるといいなあ。
よく人集めのために無料でチケットを配るところもあると聞くが、それはないでしょう。お金を出して買ってくれた人に悪いじゃないですか。あるひとが「これまでのクライエントにぜーんぶ案内を出せばいいでしょう」と言ったが、それもまずい。病院と同じで、元気になってしまえば記憶から消してしまいたいと思う場所でもあるからだ。懐かしいなどと思うひとがいるだろうか。
帰りのUAの機内で本を一冊読み終える。
『街場のアメリカ論』内田樹著、NTT出版、である。
出だしはこの著者らしくうなるほどうまい。ところが読み進むとデジャブーなところが多い。ブログを時々覗いているせいか、アメリカ人の「子ども嫌い」というところなど、そうかこういうふうにブログを使うのか、と納得。
でもウーマンリブとフェミニズムに関しては、一貫してフェミ嫌いの内田せんせいらしく少々乱暴な断定だ。子ども嫌いは日本にはなかったというが、果たしてそうだろうか。日本の女たちは子どもを好きだったのだろうか。
未開人に似た風貌だから子どもは嫌われたとすれば、そもそも日本人は自分の顔が未開人に似ているので子どもに親近感を持つのかもしれない(視覚的に)。だから自己愛の延長としての子ども愛玩がコケージアンより生じやすいのかもしれない。
虐待問題とは、懲罰権を親から子どもに委譲したもの、という点はどうか。懲罰権は定義権と言い換え可能か。定義する権力と懲罰とはいささか異なるのじゃないだろうか。
そこから性的虐待の被害者が親を懲罰する、と続くのはいささか納得できない。
最終的な内田せんせいの強みは、身体に聴くという地点に話を落とせばすべて落着すると言う点だ。そして意図的かどうか、自分は親が好きであることをいささかのてらいをまじえて堂々と語ることによって、ある特権的立場を保持することの必然を読者に肯定させてしまう。
アメリカのコミックと日本の鉄人28号に代表される漫画との対比は面白かった。この部分が一番だった。イノセントな子どもが操作する巨大なロボット対邪悪な子どもが引き起こすカタストロフィ(チャイルドプレー)という対比は、さすがでした。
子ども虐待に限らず、なぜアメリカ(今回訪れたカナダも例外ではない)があのようなテクニカルタームにも似たわかりやすいことばで心理療法や犯罪更正プログラムを構築するのかの謎の一端は解けた、と思う。
理念から始まった国だから、また外的に侵入される恐れがない国だから(内部に敵がいなければならない)。だからこそ、わかりやすさがもとめられる。わかりやすさとはエビデンスである。
数量化可能、だれがみても客観的に同じであること。ことばは限られたワードのみで説明すること。まかり間違っても、精神分析のような難解なことばは避けること。
DVも性犯罪もほぼ同じ基本であることは間違いない。なぜかと問いを発するよりも、どうやって防ぐかを考える。なぜかがわからなくても防ぐことはできる、と。
たぶんフランス人はいやがるだろうなあ。今でも嫌米のフランスは、いくら郊外の移民の若者が暴動を起こしたとしても、北米のプログラムに関しては「パ マル!」(悪くはないね)といいつつ、内心では「アメリカの単純バーカ」と軽蔑するに違いない。
おそらくカナダ・アメリカの金持ちは、プログラムなんか関係なく、個人セラピストを雇ってびっちり金をかけて精神分析なんか『徹底操作』するんだろうなあ。
というところで今夜も時差と戦うことができた。この時間に寝れば明日には完璧に日本時間に適応できそうだ。





