2005年08月26日

少しだけすがすがしい週末を

この一週間で、懸案の原稿がほぼ完成した。ゲラの校正もほぼ終了だし、肩こりと目の疲労を除けば、実にすがすがしい週末になりそう!と思ったら台風直撃ときたもんだ(泣)
原稿を書きながら池明観先生の「境界線を超える旅」(岩波書店)を走り読みした。
70年代から80年代にかけて、韓国の光州事件を始めとする軍事政権下の生々しい状況は岩波書店の雑誌「世界」の『韓国からの通信』(T.K生)をとおして知ることができた。
T.K生とは誰だろう、と思いながらも、ほぼ毎月その記事を読みふけったことを思い出す。池先生こそ、そのTK生であることを一昨年新聞で告白されたのだった。
わたしは縁あって、1994年、ちょうど先生が東京女子大を辞され韓国に戻られた翌年、ソウル郊外にある先生のご自宅を友人とともに訪れることができた。
緊張のあまり、進められるままに安東焼酎(アンドンソジュ)をがぶ飲みし、わけのわかんないフェミっぽい意見をまくし立て(ああ、顔が赤らむ思いっす)しまった。
辞するとき先生ご夫妻がエレベーターの前まで送ってこられ深々とお辞儀をされた。わたしも友人といっしょに頭を下げたのだが、それ以降はブラックアウトという有様。
珍しく吐いたらしく(それも憶えてないのだ)、どうやって帰ったのかは謎・・おかげで翌日は二日酔いでソウル一番の石焼ビビンバも手がつけられなかった(残念!)
後から聞いたのだが、その焼酎は韓国国宝級の逸品で、アルコール度数なんと40度だった。
それをボトル三分の一もひとりで空けて気炎を上げたのだから、ああ40代の私は若かった・・
金大中についても、拉致事件の真相をなぜ大統領のときに語らなかったのかと批判されている。日本にいて、朴政権に始まる軍ファシズムを鋭く告発し続けた先生は、日本の支援者であるひとたち(多くは既に故人だ)への感謝を深く胸に刻んでいるのだ。
民主化後の韓国が政治的に反日感情を利用していることを理解しつつも、日本の民主勢力(隅谷三喜男氏、安江良介氏など)の支援が背後にあったことをもっと韓国の人々は理解しなければならないと述べていらっしゃる。
わたしの最近の韓流に関する文章が、どこか浅薄に思えてしまった。

さて今夜は朝カル終了後「私を見つめて」の監督をした木村茂之さんたちと食事。
タイ料理を食べながら、楽しかった。
映画の話、文学の話、いやあ久々に満喫してしまったねえ、なにしろ20代の男性だもんね、相手が。
ヌーベルバーグの映画を大学時代リアルタイムで観たと語ったら、うらやましいと言われた。そうか、ミケランジェロ・アントニオーニ、ゴダール、アランレネなんかロードショー公開で観たんだもんね。さすが映画の専門学校卒だ、と思ったら、今では映画があまり好きじゃないのに入学する人も多いそうだ。
小津安二郎から岩井俊二、原一夫、そしてわたしが2回も見た「赤目四十八瀧心中未遂」、はたまたデビット・リンチの「イレイザーヘッド」「マルホランドドライブ」まで・・おそろしく好みが一致し(あわせていてくれたのかなあ、ひょっとして)、超満足。
あまり本を読まないひとも多いかと思ってたんだけど、文芸誌をすべて読む若者もいるなんて、うーん日本の未来も明るいなあ(ほんと、単純だよね)。
韓国を見習って、国が映画とアニメ制作のための大学を作るべきだ。そして撮影に協力する地方自治体の条例(東京都石原都知事がそのことを提案している)をつくり、ロケが迅速に行われる体制作りが進めば、もっとすぐれた映画が生まれるだろうにね。
10月下旬、ポレポレ東中野で公開予定なんだけど、詳しい日程は未定。
トークショーにも出演予定なんで、ぜひ観にきてほしいなあ。
なかなかの秀作っす。映画好きで結構うるさい私がほめるんだから、ね。

投稿者 sayoko: 02:15